アトピーの疑問

ステロイドと上手につきあう方法

皮膚の炎症を抑えるために処方されるステロイド剤。
比較的簡単に処方されるうえに即時的な効果も高いため、非常に頼りになる薬として知られています。
しかし常用することで厄介な副作用が起きることから、使用をためらう人が多いのも事実です。
ここでは主に外用剤のステロイドにフォーカスして、薬と上手に付き合ってゆく方法を紹介します。

 

ステロイド剤は、人間の体内で生成される「副腎皮質ホルモン」を人工的に合成、生成した薬剤で、このことから「副腎皮質ホルモン剤」とも呼ばれています。
服用薬や塗布薬として用いられていますが、一般的な患者は特に塗り薬(ステロイド外用剤、ステロイド軟膏)を処方されることが多いようです。

 

アトピー性皮膚炎など、激しい痒みを伴う皮膚病では「痒い→ひっかく→症状が悪化→更に痒みが強くなる」という悪循環に陥りがちです。
自ら症状の悪化を招いていることがあります。
まずはこのサイクルを断ち切るために、皮膚の炎症をストップさせる必要があります。
現代において最も早く炎症を抑える効果があるのが、ステロイド外用剤です。
酷い炎症を起こした皮膚でも、ステロイド外用剤を使うことによって、早ければ2〜3日で症状の良化を見込めます。
ステロイドの使用は根本的な治療にはなりませんが、炎症と痒みを抑え込み、症状の悪化を防ぐといった意味でとても有意義なのです。

 

現在、日本で使用が認められているステロイド外用剤は30種類ほどにのぼります。
外国のメディシンメーカーのステロイド剤で効果が強すぎるものなどは、厚生労働省の方で一般の日本人の体質に合わないと判断され、輸入が禁止されている状況があります。
薬効が高いものほど副作用の危険性が大きくなります。このため、症状の段階や患部、範囲、年齢などを考慮した上で、適切なステロイド剤が処方されることになります。
また、ひとりの患者に2種類以上のステロイド剤が調剤されるケースもあります。
患部によって炎症の状態が異なる場合、または薬剤の吸収率に差が出ると判断された場合です。

ステロイド外用剤の強さと種類

以下は、薬効ランク別に区分けした一般的なステロイド外用剤の一覧です。

 

1. strongest(非常に強い)
ジフラール、デルモベート、ダイアコート
2. very strong(強い)
リンデロンDP、 マイザー、ネリゾナ、ビスダーム、パンデル、トプシム、
3. strong(中ぐらいの強さ) ※薬剤表示と薬効にズレがあることに注意
リンデロンV、フルコート、プロパデルム、アドコルチン、ベトネベート
4. mild(やや弱い)
キンダベート、リドメックス、ケナコート、ロコルチン、ロコイド、レダコート、グリメサゾン、アルメタ
5. weak(弱い)
コルテス、デクタン、プレドニゾロン、ヴェリダームメドロールアセテート、

ステロイド外用剤の問題点

ステロイド外用剤は皮膚の炎症を抑えるうえで即時的な効果が期待でき、適切な使い方をしていれば非常に有効な薬ではあります。
しかし、優秀な薬剤であるからこそ、大きな落とし穴があるのです。
ステロイド外用薬による治療はあくまで炎症や痒みを軽減するための対症療法でしかないのです。この薬剤を使用していても、根治は望めません。
以下に、ステロイド外用剤を使用したときの副作用をあげます。

 

1. アレルギー反応の増加
皮膚の炎症を抑えるステロイドホルモンは、内分泌器官である副腎から分泌されています。 本来、身体には自然治癒の能力が備わっているものですが、ステロイド外用剤を長期にわたって使用した場合には、この副腎の分泌機能が徐々に衰えていきます。ステロイドの利用を止めた途端に症状が悪化するといった「リバウンド」が発生してしまいます。症状が良くなったと思って薬を止めたところ、しばらくして更に酷い症状でぶり返したというのはこのケースに当たります。

 

2. 免疫力が低下して細菌感染症を併発
ステロイド外用剤の使用期間が長くなると、皮膚の抵抗力が衰えてきます。これによってアトピーを悪化させる細菌が繁殖しやすくなってしまいます。 ステロイド外用剤の長期使用者の中には、ウイルス感染によって起こるヘルペスを併発させている患者も多く見受けられます。

 

3. 皮膚の萎縮
ステロイド外用剤の長期使用は、皮膚の萎縮をもたらします。これにより、外皮が薄くなったり色素沈着を起こすこともあります。

皮膚炎症の完全治癒をめざすには

皮膚疾患が長期化すると、別の皮膚疾患を併発しやすくなり、症状は更に深刻化してゆきます。
疾患を根本から完治させる、アトピー性皮膚炎の場合は小康状態を維持するためには、以下の項目を実践することが重要です。

 

1. 原因物質の摂取をストップ
2. 薬物治療で傷の修復を施す
3. 皮膚を清潔な状態に保つ
4. 皮膚の免疫力を高め、抵抗力、保護能力、自然治癒力を強化する

 

既にステロイド外用剤を使用している方は、一足飛びに使用を中止というわけにはいかないと思います。
まずは薬剤の副作用の軽減するという次のステージに移るために、上記の1〜3を実践しつつ、自然治癒力を高めるスキンケア製品の使用を探ってみて下さい。