アトピーの疑問

アトピー性皮膚炎って??

アトピー性皮膚炎とは、一般的にはアトピー体質の人に生じる湿疹をさします。乳児期は頭部や顔に湿潤性の湿疹が発生しますが、小児時には患部が移動し、肘や膝の屈伸部に乾燥した湿疹が見られるようになります。成人は更に頸部(首)、額、胸部、まぶたなどにも湿疹があらわれます。いずれも我慢できないほどの強烈な痒みを伴うのが特徴です。
この皮膚炎症は症状の軽減や一時的な消滅と、病状が更に悪化するというふたつのサイクルを繰り返します。

 

以前はアトピー性皮膚炎は乳幼児期に発症するもので、10代前半ぐらいまでには治るとされていました。しかし患者の追跡調査のデータを蓄積して経過を辿ったところ、若い頃に一旦治ったように見えた症状が成人してから再発したり、成人後に初めて症状を自覚する人も増加しています。

 

アトピー体質と判断される人は、アトピーの素因となる以下の条件のいずれかを持っています。
1. 本人または家族が、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれかにかかった経験がある。
2. 本人と家族に上記の病歴がなくても、血液中に「IgE抗体(アレルギー反応を起こす原因物質)」が多く含まれている。

 

ただし、アトピー素因を有する全ての人が、必ずアトピ$ォ皮膚炎を発症させるというわけではありません。反対に近年では、アトピー素因を持っていないにもかかわらず、アトピー性皮膚炎を煩って苦しむケースも見られます。

 

今まではアトピー性皮膚炎はアレルギー性疾患とすぐに結び付けて考えられてきましたが、昨今は肌の保護機能の異常も関係しているのではないかといわれています。
肌の保護機能を支えているのが、角質層の中にある細胞間脂質の約4割を占める「セラミド」です。
細胞間の脂質には6種類のセラミドが存在しますが、アトピー性皮膚炎を起こしている人の肌にはそのセラミド量がいずれも少ないという結果が出ています。このため、健康な肌の人にとっては何でもないようなわずかな刺激でも、アトピー性皮膚炎の患者は肌が過敏に反応してしまい、炎症を引き起こしてしまうのです。
このような肌をさして、アトピックドライスキン(カサカサした肌)といいます。
乾燥した肌は外界からの刺激に対して、更に防御機能が低下します。遺伝子が関係していると推測されていますが詳しいことは未だ分かっていません。特定の原因はないともいわれています。

 

 

成人の場合、子供よりも症状が重く、湿疹の範囲も広範にわたります。年齢とともに肌の乾燥も深刻になり、皮膚が象の皮膚のようにざらざらとして厚くなる「苔癬化」も進行します。
また、長期にわたってアトピー性皮膚炎を煩っている場合は、頸部から胸部にかけて色素沈着を起こすこともあり、肌が重たく黒ずんできます。・

 

 

更に、思わぬ併発症として見逃せないのが、目にあらわれる合併症です。
重度のアトピー性皮膚炎に苦しむ患者の半数以上が、白内障や網膜剥離などの大きな疾患を同時に抱えているという報告があります。」
当初は皮膚の炎症を抑えるためのステロイド剤による副作用が疑われていましたが、現在ではステロイドとの因果関係は完全に否定されています。
白内障にせよ網膜剥離にせよ、痒みの影響で強く目をこすったり、目の周りをいじったりすることが原因ではないかと考えられます。
目の病気は初期にはなかなか気付きにくく、自覚症状を持たないことも多いので、特に顔に皮膚炎の症状があらわれる人は、定期的な眼科検診を受けることをお勧めします。

 

 

最後に、アトピー性皮膚炎の患者は、皮膚の感染症を起こしやすいということも知っておいて下さい。防御機能が低下した肌では、細菌やウイルスによる感染が発生しやすくなります。細菌感染の場合は黄色ブドウ球菌から肺炎、髄膜炎、敗血症などの大病を呼び込むおそれがあります。ウイルス感染ではヘルペスなどを患うケースが多いようです。
健康体の人であれば多くは軽症で終わりますが、アトピー性皮膚炎の患者さんはちょっとしたことから重傷に到る危険性も高くなります。衛生面、健康面に気をつけた生活を心がけましょう。
アトピー性皮膚炎の患者さんは、水泡をともなう手湿疹にかかることも多いようです。
手の水泡でお困りではありませんか??